とにかく保湿が大切
◎やみくもに化粧水をつけてもダメ。水分が浸透するとは
美しい肌の条件に潤いは欠かせません。
美肌効果を期待して、高価なクリームや美容液を
次々と購入している人は多いと思います。
まずは、保湿のしくみを理解して、正しいスキンケアで
潤いのある素肌を目指しましょう。
◎肌の潤いは角質層で守られている
角質層はわすわか0.02ミリの厚さのなかで、角質細胞が
ブロックのように10~20層積み重なり、外部から
アレルゲンなど異物の侵入を防ぎ、同時に内部の
水分の蒸発を防ぐという役割を担っています。
手のひらや足の裏などでは角層がとても厚く物理的な
刺激に強くなっています。
例えば、お風呂に入ったときに水が肌の中に入って
いかないのはなぜか。
肌には外部からの異物の侵入をはばむバリア機能が
備わっていて、細胞同士を密着させることで、
水や異物が肌の中に入り込むのを防いでいます。
ですから、化粧水などで肌の外側から水分のみを
補給しても、角質層深部に入り込むことはなく、
そのままにしておくと蒸発してしまいます。
このとき、角質層に含まれる水分を奪っていくので
過乾燥となることも。
たるみ予防
◉たるみ予防にはシワと同じお手入れを
【原因は同じだから化粧品は1つで大丈夫】
たるみ毛穴、涙袋、二重顎、ほうれい線のいずれも
原因は同じで!コラーゲンの弾力が弱まって脂肪などを
支えきれず、たるんでしまうということ。
さらにシワも、コラーゲンの変性という意味では
同じ原因なんです。
よくたるみ毛穴用、シワ用など、それぞれに対応した
化粧品がありますが、どれもコラーゲンに働きかける
という点では同じはず。
つまり、そういった化粧品を一本、毎日のスキンケアに
取り入れればいいです。
成分的な目安としては、コラーゲンを増やす作用のある
ビタミンC誘導体やレチノールなど。
たるんでしまってから、それを解消していくのは
難しいので、たるみが進行しないよう早めにケアを
始め、予防していくことが一番重要。
【代謝を高めるマッサージも有効】
たるみには、必ずしも老化とはいえない要因が存在します。
血行やリンパの循環が低下してむくんでしまったり
などが考えられます。
もちろんアンチエイジング化粧品を使ったり老化を招く
紫外線をしっかり防いだりする対策は必要ですが、
それ以外にマッサージによって真皮の活性化をはかるのも
効果的。
マッサージには、代謝を高めてむくみを予防し、
皮下脂肪をつきにくくする効果もあります。
ハリや弾力
◉肌にハリや弾力をもたらす食品をとる
【咀嚼回数が増える食材でたるみを予防】
たるみの原因は基本的にシワと同じなので、
抗酸化力の高いビタミンA、C、Eをとると有効。
とくにビタミンCは、老化の原因となる過酸化脂質を
抑える働きもあります。
また最近は、やわらかい食べ物が多くなって咀嚼の
回数や力がそれほど必要なくなったことも
フェイスラインのたるみの一因。
さつまいもやごぼうなどの食物繊維、砂肝のように
硬く歯ごたえのある肉や骨付き肉など、噛む回数が
増える食材を積極的に取りましょう。
【器具を使ったトレーニングも効果的】
フェイスラインのたるみの原因は、コラーゲンの変性
だけではなく、筋肉の緩みとも関係しています。
顔にある表情筋は皮膚にくっついているので、筋肉が
緩むと皮膚もいっしょにゆるみたるんでしまいます。
それを予防するには、筋肉を鍛えるトレーニングが必要。
表情筋エクササイズより、器具などを使うほうが
おすすめ。
なぜなら無理に表情を作る運動をすると余計にシワを
深くしてしまう可能性があるからです。
ニキビ
◉男性ホルモンとニキビ
ニキビは男性ホルモンが多いからできるのだとよく
いわれますが、果たして本当にそうでしょうか。
たしかに毛包漏斗部の角化には、男性ホルモンも
関与します。
しかし、血液中の男性ホルモンが本当に高くなれば、
ニキビだけでなく、筋肉質になったり毛深くなったり
という、男性化の兆候がからだのあちこちに
現れますし、当然生理も止まります。
実際には男性ホルモンが多くなくてもニキビは
できますし、男性がみなニキビ肌になるかというと
そういうものでもありません。
ニキビの原因は複雑で、よくわかっていない部分も
多いです。
男性ホルモンが多いからできるとか、男性ホルモンを
下げれば治るなどという、単純なものではありません。
ニキビはあくまで皮膚の病気です。
自然な状態では、ホルモンは増えたり減ったりしない
ようにコントロールされています。
それが微妙にバランスを崩すと、ニキビなどの
肌トラブルとして現れてきます。
クマ
◉クマは原因にあわせたお手入れで予防する
【一般的にいわれるクマは大きく分けると3種類】
疲れてるねといわれるのがいやで、目の下のクマを
気にしているヒトはとても多いです。
クマとみなさんがいうものにはいくつか種類があります。
ただし、本当の意味でのクマは、血液がうっ滞して
青く見えるものです。
【年齢とともにまぶたは薄くなりクマは目立ってくる】
クマを理解するために目とそのまわりの構造を
知っておきましょう。
眼球のまわりは、クッションの役割をするための
やわらかい脂肪でおおわれています。
それみ、まぶたが支えているわけですが、まぶたの
皮膚はとても薄く、人体では最も薄い部分。
加えて皮脂腺が少ないため乾燥しやすく、
神経も敏感なところ。
このように、まぶたの皮膚は、明らかに顔の他の
部分の皮膚とは異なる構造をもっています。
たとえばほほは、まぶたと違って皮膚が厚く
皮下脂肪も多い部分です。
そのため、下まぶたとほほの間にどうしても
境界線がついてしまい、それがクマと呼ばれます。
年とともにまぶたの皮膚はより薄くなっていきますから
誰でも多少はクマが出やすくなりますが、
クマについては目立つ、目立たないにかなりの個人差
があります。
乾いた肌②
化粧水だけは、安物でいいからたっぷりつけろという
習わしもあるようで、とにかく化粧水を何度も
重ねづけしている人が多いようですが、残念ながら
あまり意味のないことです。
コットンで何度もパッティングしていると、逆に肌を
痛めてしまうこともあります。
また、肌が乾燥して荒れているときにあまりいろいろ
つけたらいけないと思って化粧水だけにしていたという
人もよくいますが、それも間違い。
化粧水だけでは、さらに肌が乾燥し、悪循環を招きます。
いろいろつけたくないときは、美容液かクリームだけを
使うようにしましょう。
真の保湿とは、水分を維持するための保湿成分を
しっかりと与えて、肌の保水力を高めることをいいます。
そして、保湿成分を多く含むのは、美容液やクリーム。
肌の潤いのために使うのであれば、必要なのは保湿成分を
含んだ美容液やクリームであることを覚えておきましょう。
乾いた肌
◉乾いた肌に水を与えるだけでは乾燥はおさまらない
肌には水分が大切だから、化粧水はいちばん大事と
考えている人がほとんどだと思いますが、それは
間違いです。
化粧水が、そのまま肌の水分になるわけはないからです。
私達の肌の水分を守るためにもっとも活躍しているのは、
角質細胞間脂質、なかでもセラミドです。
セラミドは年齢とともに減り、それに伴い肌の水分も
減っていきます。
そこで、セラミドを補うか、もしくはその代用になる
保湿成分を補うのが正しい保湿のお手入れです。
肌の潤い=化粧水と思う人が大半ですが、化粧水の
ほとんどが水。
水の中には、これらの保湿成分はあまり配合できません。
つまり、セラミドが減っている肌にいくら化粧水を
つけても、時間がたてば蒸発してしまいます。
水を与えても単に濡らしているだけで、保湿したことには
なりません。